いま、夜のラーメンシーンを動かしているのは口コミの伝播スピードだ。毎日ラーメンをすすり続ける人気クリエイター「SUSURU」氏の動画や、「ラーメンWalker」の特集記事は、深夜に開いている知られざる名店を一瞬でバズらせる。大手グルメサイトの「食べログ」で深夜営業フィルタをかけ、星の数だけでは測れないディープな一軒を血眼になって探すユーザーも後を絶たない。
そこにあるのは、かつて名作ドラマ『深夜食堂』が描いたような、どこかノスタルジックで温かい止まり木としてのラーメン屋の姿だ。カウンター越しに交わされる店主との短い会話、隣の酔客がすする麺の音。SNSで情報を得て駆けつけた若者も、昔ながらの常連客も、湯気の向こう側で同じ時間を共有している。