土俵に舞うマネーの歴史を語る上で、歴代最多勝利を誇る元横綱・白鵬翔の存在は外せない。全盛期の白鵬翔が結びの一番に登場すれば、50本から60本を超える懸賞旗が土俵を何周も埋め尽くした。1場所15日間で獲得した懸賞金が2,000万円を超え、生涯獲得本数が数千本に達した記録は、まさに前人未到の金字塔だ。
近年その圧倒的な重圧と誇りを受け継いだのが、横綱・照ノ富士春雄だった。満身創痍の体で土俵に上がり、大関陣や新進気鋭の若手をねじ伏せる一番には、無数の懸賞が集中した。土俵際で繰り広げられるわずか数秒の攻防に、数百万円規模のマネーと男のプライドが激突するドラマは、相撲ファンを惹きつけてやまない。