韓国限定モデル「ホワイトレーベル」のアイテムを目にした際、多くの人が驚くのがその価格設定です。日本国内で展開されている定番アウターと比較すると、同等カテゴリーのアイテムが約20%〜40%ほど安価な実売価格で流通しています。この価格差の背景には、ブランドホルダーの運営形態と製品コンセプトの違いが存在します。
1. 運営母体の違いと現地ライセンス生産
日本におけるザ・ノース・フェイスは株式会社ゴールドウインが商標権を保有し、独自に商品開発を行っています。対して韓国では、グローバル展開を担う米VFコーポレーションと現地大手繊維メーカーの合弁企業であるヨンウォン・アウトドア(Youngone Outdoor Corporation=旧韓国ゴールドウィン)がライセンス生産と販売を一手に引き受けています。 ヨンウォン・アウトドアは自社グループ内に大規模な縫製工場や生産ネットワークを抱えており、現地市場向けに中間マージンを抑えた大量生産が可能です。この生産効率の高さが、末端価格を抑える強力な基盤となっています。
2. 用途設計の違い(アルパイン仕様 vs ライフスタイル仕様)
日本規格の多くは、過酷な雪山登山やアウトドアアクティビティに耐えうる「アルパインスペック」を前提に設計されています。高価なゴアテックス(GORE-TEX)メンブレンや、厳格な品質基準をクリアした高フィルパワーダウンを採用するため、どうしても製造原価が跳ね上がります。 一方、韓国のホワイトレーベルは「機能性と日常のトレンドを融合させた日常着」というコンセプトを掲げています。防水透湿素材には自社開発のドライベント(DRYVENT)を採用し、中綿にも実用十分なブレンド素材を用いることで、過剰なオーバースペックを削ぎ落とし、都市生活に必要十分な機能性と優れたコストパフォーマンスを両立させています。