専門家が一堂に会する火山噴火予知連絡会では、観測値の推移に応じた複数の活動シナリオが議論されている。最も頻度が高いのは、一時的な熱水の上昇によって群発活動が数週間から数ヶ月続き、その後エネルギーを放出して徐々に平穏化する「一過性の活動活発化」シナリオだ。
一方で、警戒を怠れないのが「突発的な水蒸気噴火」シナリオである。マグマ本体が地表へ到達しなくても、過熱された地下水が一気に沸騰・体積膨張を起こせば、大涌谷の火口周辺に噴石を飛散させる爆発を引き起こす。予知連の検討結果は、広域に破滅的な被害をもたらす大規模噴火の可能性は極めて低いとしつつも、火口近傍数百メートル圏内における局所的な突発現象への即応体制維持を強調している。