人体運動を科学的に分析するバイオメカニクス(生体力学)の視点を取り入れると、なぜ特定のプレイヤーが異次元のスコアを叩き出せるのかが明瞭に見えてくる。人間が力強い打撃を生み出す際、腕の筋肉が果たす役割は全体のわずか一部に過ぎない。
真の衝撃力を生み出す源泉は、体幹の回旋運動と重心移動の掛け合わせにある。骨盤を軸にして腹斜筋を伸縮させ、肩甲骨を前方に押し出すような螺旋運動を作り出すこと。これが、バイオメカニクス的に最もロスなく運動エネルギーを先細りの腕先へと集約させるメカニズムだ。
猫背になったり、逆に腰が反りすぎたりしているフォームでは、せっかく作られたエネルギーが背骨の歪みによって吸収されてしまう。背筋をすっと伸ばし、顎を引いて視線をパッドの中心に固定する姿勢作りこそが、威力を一点に集める絶対条件なのだ。