パッケージを破った瞬間に広がる、甘酸っぱくどこか愛おしいブドウやアップルの香り。透明なシートに固着したグミの幹から、実を破らないようにそっと指先で引っ張る。力を込めすぎれば途中できれいにちぎれてしまい、うまく剥がせれば小さな達成感が込み上げる。あの独特の指触りと緊張感こそが、当時の子どもたちを魅了してやまなかった最大の仕掛けだ。
当時夢中になった世代の女性(30代・会社員)はこう振り返る。「放課後に友達とどっちが綺麗にもぎ取れるか勝負した記憶があります。最後に出てくる枝の部分の固い食感も好きで、全部食べ終わるまでがひとつの完璧なゲームでした」。ただ味わうだけでなく、日常の中にささやかな冒険を持ち込んでくれた感覚。それこそがこの商品の真価だった。