「車内のレバーをいくら引いても手応えがスカスカで、ボンネットがピクリとも動かない」というトラブルは、長年過酷な環境で稼働してきた商用車両を中心に頻発しています。ロードサービス隊員や整備専門工場の証言を集約すると、原因は主に3点に絞られます。
最も多いのが、フロントラッチ機構の油脂切れおよび砂塵の噛み込みによる固着です。飛び石や雨水をダイレクトに受けるフロントグリル裏はグリスが乾きやすく、スプリングが戻らなくなります。この場合の応急処置として極めて有効なのが「2名体制による押さえ引き」です。一人が車外からフロントパネルの中央付近を手のひらで軽くポンポンと下方向に押し込みながら、もう一人が車内でボンネットオープナーを引きます。パネルにかかるテンションを一時的に抜くことで、固着したラッチが「バチン」と解除されるケースが多々あります。
一方、最も警戒すべきはキャラバンボンネットワイヤー切れ修理が必要となる物理的破断です。レバーの裏側でインナーワイヤーのエンドタイコ(カシメ金具)が外れているだけであれば、車内足元のキックパネルを外し、露出したワイヤーの芯線をプライヤーやペンチで直接挟んで強く手前に引くことで解錠が可能です。
しかし、フロントグリル内部やエンジンルーム側でワイヤーが断線した場合、車内からのアプローチは完全に遮断されます。この状態に陥った場合、車体下部のアンダーカバーを外し、フロントグリルやバンパーの隙間から細長いマイナスドライバーや専用の解錠治具を差し込んで、ラッチアームを直接手動でこじ開ける高度な作業が求められます。フロントパネルを無理やりバール等でこじ開けようとすると、パネル本体が歪んで再塗装・板金修理費用が50,000円〜80,000円規模に跳ね上がるため、絶対に避けてください。