画面越しには完璧に見える笑顔の裏で、吐き気や激しい頭痛、滑舌の悪さに悩まされていた演者たちは少なくない。顎変形症は、上下の顎骨のサイズや位置のバランスが大きく崩れることで、噛み合わせの不具合や顔面の歪みを引き起こす病態だ。受け口(反対咬合)や開口(前歯が噛み合わない状態)は、見た目以上に消化器への負担や発声への悪影響をもたらす。
特に声を仕事道具とするアナウンサーや俳優、歌唱を本業とするアーティストにとって、顎の位置のズレは致命的な職業病になり得る。発音が濁る、滑舌がスムーズにいかないといった焦燥感は、精神的なストレスとなって彼らを追い詰めてきた。整形手術という誤解を受けるリスクを冒してまで治療に踏み切るのは、それが「表現者としての命」を守るための必然だからだ。