「毎朝、シャッターを開けるのが恐怖なんです」
渋谷駅構内の維持管理を請け負うビルメンテナンス会社のベテラン現場作業員は、声を潜めて語る。始発列車が動き出す前の午前4時、清掃員たちに課されるのは、単なるゴミ拾いではない。バイオハザードのリスクを伴う汚物の除去と、強力な消臭・殺菌剤を用いた高圧洗浄作業だ。
通勤・通学客が何事もなかったかのように改札を通り抜ける裏で、作業員たちは防護服と厚手のマスクを着用し、強烈な臭気と戦いながら床を磨き上げている。万が一、清掃が遅れれば駅機能の遅延や乗客からの苦情に直結するため、毎朝が秒単位の時間との戦いとなっている。