凶悪な少年犯罪を引き起こした元受刑者に対し、退院後も一定の監視や位置情報の把握を義務付けるべきか否か。この論題は、英米圏における「メガンズ・ロー」や「Sarah's Law」のような性犯罪者・凶悪犯の登録公開制度と比較されつつ、日本国内でも法制審議会等で度々議題に上ってきた。
人権擁護派の弁護士や法学者は「刑期や矯正期間を終えた者への恒久的な監視は、日本国憲法が保障する基本的人権や移動の自由、居住選択の自由を侵害する」と強く反対する。対して、犯罪被害者団体や治安重視の市民世論は「凶悪な異常犯罪における再犯防止と社会防衛の観点から、国が一定の動静を把握し続ける仕組みは不可欠だ」と主張し、双方の主張は平行線をたどったままだ。
2026年代半ば以降、AIや顔認証技術が社会インフラに深く浸透したことで、国による直接的な監視法制がなくとも、民間レベルでの「可視化」が進んでしまうという新たな歪みも生じている。