シングルとしての成功に続き、同年6月にリリースされた原由子のソロアルバム『MOTHER』においても、『花咲く旅路』はアルバム全体の精神的支柱となる重要なポジションを担っています。
音楽的なアプローチにおいて特筆すべきは、小林武史と桑田佳祐による綿密なサウンドプロデュースです。西洋的なポップスのコード進行をベースにしながらも、二胡や和楽器を想起させるアジアン・オリエンタルな旋律が大胆に導入されました。ペンタトニックスケール(五音音階)を巧みに取り入れたメロディラインは、東洋の湿り気と大陸的な雄大さを同時に感じさせます。
サザンオールスターズの音楽性にも通じる「無国籍なオリエンタリズム」と、原由子のナチュラルなキャラクターが見事に融合した結果、J-POPの歴史上でも類を見ない孤高のサウンドスケープが完成しました。