このカットのルーツを辿れば、漫画家・植田まさし氏が読売新聞社で連載を続ける国民的4コマ漫画『コボちゃん』に行き着く。日本アニメーションが手掛けたアニメ版でも広く親しまれた主人公・田畑小穂のトレードマークである、サイドとバックをすっきりと切り揃えたあのフォルムだ。長年、愛嬌のある「子どもの髪型」の代名詞とされてきた。
だが、時代の空気は変わった。均一化されたマッシュヘアや無難なショートが街に溢れかえった反動として、どこか違和感を残すグラフィカルなラインに注目が集まったのだ。レトロなアイコンを脱構築し、ハイファッションの文脈へと引き上げる試み。かつての親しみやすさはそのままに、洗練されたラインワークを加えることで、唯一無二のモードスタイルへと見事に昇華された。