視聴者の誰もが気になっていたのが、なぜ木久扇が半世紀以上守り続けた定位置を退いたのかという点です。2026年8月の『24時間テレビ』内で勇退を電撃発表した際、世間には大きな衝撃が走りましたが、そこには芸人としての美学と次世代への深い愛情がありました。
木久扇自身が明かした卒業の理由は、主に次の2点に集約されます。
1つ目は、「座布団のやりとりに肉体的な限界が来る前に、元気な姿で後進に道を譲りたい」という強い意志です。長年務めた最年長レギュラーとして番組の新陳代謝を促し、若い落語家が活躍できる枠を空けることが自身の最後の責務であると判断しました。
2つ目は、「残された人生で、落語や絵画、文筆活動など、自分自身のやりたい表現活動に集中したい」という前向きな動機です。週ごとの厳しいスケジュールから解放され、より自由な立場で芸の道を深めたいというクリエイターとしての純粋な欲求が勇退を後押ししました。
なお、2026年4月に木久扇の後任として大喜利メンバーに抜擢されたのは、立川流の実力派である立川晴の輔でした。落語協会以外の流派からも起用される柔軟な体制へと引き継がれ、木久扇の思い描いた「新たな笑点の形」が着実に実を結んでいます。