福岡県久留米市で生まれ育った田中麗奈は、小学生の頃から明確に女優の道を志していました。中学時代に地元・九州のモデル事務所へ所属し、広告やローカルCMへの出演を重ねながら着実に実力を磨いていた彼女に、大きな転機が訪れます。
1998年公開の映画『がんばっていきまっしょい』(磯村一路監督)のオーディションで見事主演の座を射止めたのです。愛媛県松山市の高校ボート部を舞台にした同作で、女子クルーを率いる主人公・篠村悦子(悦ネエ)役を熱演。過酷なロケと本格的なボートの練習に真正面からぶつかり、泥臭くもひたむきな青春の輝きを体現しました。
この演技が高く評価され、第22回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、ブルーリボン賞新人賞など、その年の映画賞の新人賞を総なめにしました。「なっちゃん」のCMで見せたポップな愛らしさと、映画スクリーンで見せた圧倒的な表現力のコントラストは、彼女が単なるアイドル女優ではなく、天性の映画女優であることを決定づけました。