高山善廣というレスラーを語る上で欠かせないのが、2002年のPRIDE.21で行われたドン・フライとの一戦だ。総合格闘技のリングで、二人の大男が相手の首を掴み合い、至近距離から互いの顔面をノーガードで殴り続けたあの熱戦。男たちの意地がぶつかり合った激闘は、今なお総合格闘技史における最高の死闘として世界中で語り継がれている。
相手のパンチを正面から受け止め、一切引かずに前へ出る。その無骨なスタイルと倒れても起き上がる強靭な精神こそが、高山がプロレス界のみならず格闘技界全体から深く愛された理由だ。ドン・フライも事故の報を聞いた際、かつてのライバルに向けて熱いエールを送り、世界中のファンが帝王の奇跡を祈った。