被告・山上徹也は、手製の銃器を鞄に隠し持ち、歩道から至近距離まで何ら制止されることなく歩を進めた。当時の現場はガードレールに囲まれていたものの、後方は車道に面しており、車通りの合間を縫って歩行者が接近できる極めて脆弱な空間設計だった。不審な挙動を見せる人物に対する警戒網や早期の声かけ機能が全く作動していなかったことが証明されている。
この凄惨な事件を受け、日本の要人警護ドクトリンは抜本的な改定を余儀なくされた。従来のように治安の良さを前提とした警備スタイルは廃棄され、海外の要人警護基準に匹敵する「防衛ラインの多重化」と「事前審査の厳格化」が導入されるに至った。2026年現在の政治集会や選挙演説では、要人と聴衆との物理的距離の保持や金属探知機の導入が当たり前の光景となっている。