ネットコミュニティでは古くから「カノン制服のモデルとなった実在の学校があるのではないか」という議論が絶えません。北海道札幌市や東京都東久留米市、守口市など、背景美術の舞台探訪(聖地巡礼)が盛んに行われた地域を中心に、様々な私立校の名が噂として取り沙汰されてきました。
しかし、舞台背景となったロケーションの綿密なフィールドワークや当時の制作陣による発言記録を照らし合わせると、単一のモデル校は実在しないというのが取材班の導き出した結論です。
背景美術に関しては、札幌市内の街並みや東久留米駅周辺の建造物が忠実に取材・サンプリングされた事実が確認されています。しかし、制服デザインそのものについては、当時のクリエイター陣が「雪降る街で最もヒロインが際立つ衣装」をゼロから構想した完全オリジナルとみるのが自然です。一部の私立女子校に見られる伝統的なケープコートや制服のシルエットが間接的なインスピレーション源になった可能性は否定できないものの、特定の教育機関を模写したものではありません。
実在の学校に縛られない自由な創作であったからこそ、現実の制服にはない絶妙なデフォルメと、二次元グラフィックとしての永遠の美しさを獲得できたといえます。