初登場となった那田蜘蛛山編を覚えているだろうか。累の母の糸によって操られ、服を破かれ、「サイコロステッキ」なるショッキングな愛称でネット上を賑わせたあの姿だ。一見すると、噛ませ犬として退場する運命にある「モブ隊士」の記号そのものだった。
だが、彼は違った。恐怖に震えながらも刀を手放さず、炭治郎たち後輩の助言に耳を傾け、自らの分を弁えて戦線を支えた。死屍累々となる戦場において、彼は泥臭く生き延びた。笑いと失笑で迎えられた男は、物語が進むにつれて視聴者の予想をことごとく裏切り、誰もが応援したくなる「希望の星」へと変貌を遂げていったのだ。