同店の名を全国区に押し上げた最大のギミックであり、初訪問者が例外なく言葉を失うのが、主客転倒とも言える驚愕の提供スタイルです。メニュー表からチャーハンを注文すると、厨房から立ち上る豪快な炒め音とともに、まず運ばれてくるのは一人前の丼にみっちりと麺とスープが張られた本格ラーメンです。
店主が「はい、スープ代わりね」と何食わぬ顔でカウンター越しに差し出すその一杯は、ミニサイズでもお試し用でもありません。一般的なラーメン専門店で提供される普通盛り、あるいはそれ以上の麺量(茹で前約150〜160g前後)を誇り、分厚いバラチャーシューが2〜3枚、メンマ、刻みネギが堂々とトッピングされています。スープの味は正油、塩、味噌から選べる徹底ぶりで、この一杯だけでも十分に1食分のディナーとして成立するボリュームです。
ラーメンの衝撃冷めやらぬタイミングで、本丸であるこく一番チャーハン大盛りが目の前に着丼します。銀色のオーバル皿や大皿にドーム状に盛り付けられたチャーハンは、優に2合から3合(推定重量約800g〜1kg超)におよびます。具材には母体である精肉店から供給される上質なチャーシューの端肉が惜しげもなく散りばめられ、豚のラードとネギ油の香ばしい風味が米粒の一粒一粒をコーティングしています。
「炭水化物で炭水化物を流し込む」という狂気じみた光景でありながら、大味な大盛り料理にありがちな雑さは一切ありません。強火で一気に焼き上げられたパラパラ感としっとり感を両立したチャーハン、そして豚骨と香味野菜の旨味が凝縮したクラシカルな札幌ラーメンのハーモニーは、一口ごとに脳内のドーパミンを分泌させます。この「サービス過剰の美学」こそが、四半世紀を超えて愛され続ける最大の核心です。