広く「馬の被り物」「馬マスク」の通称で親しまれていますが、このアイテムの正式名称は「Horse Head Mask(ホースヘッドマスク)」です。その商業的な発祥は、アメリカ・シアトルに拠点を置く老舗ノベルティグッズ企業「Archie McPhee(アーチー・マクフィー)」社が2002年に発売した製品にまで遡ります。
元々は単なる風変わりなジョークグッズに過ぎなかったホースヘッドマスクが、世界規模のインターネット・ミーム(流行現象)へと変貌を遂げた契機は2000年代後半にありました。Googleストリートビューの撮影車両に馬マスクを被った人物が偶然映り込んだ事件や、YouTubeで緑色の全身タイツに馬マスクを装着した男性が淡々と料理を作るシュールな映像(通称:Green Uni Guy)が数十万〜数百万回再生を記録し、英語圏の掲示板Redditや4chanで神格化されたのです。
日本国内においても、ニコニコ動画のゲーム実況者や演奏してみた動画の配信者が「顔出しNGの匿名化ツール」として着用したことで爆発的に認知が拡大。生々しい馬の造形と、ギターを弾く・キーボードを叩くという日常動作との激しい不調和が、日本独自のシュールギャグ文化と完璧に共鳴しました。現在のTikTokやYouTube Shortsでバズを生むフォーマットの基礎は、まさにこの時代に確立されたと言えます。