この痛切な歌詞は、フィクションではなく清水依与吏自身の剥き出しの一次情報・実体験から生まれています。back numberというバンド自体の成り立ちが、まさにこの楽曲のテーマそのものです。
群馬県で過ごした高校時代、当時交際していた女性を地元の別のバンドマンに奪われた清水依与吏。「自分を選んでくれなかった彼女にとって、今の自分は型落ちの雑誌のような存在だ」――そんな自虐と屈辱から名付けられたのが「back number(型落ち・バックナンバー)」というバンド名でした。清水は当時のインタビューやメディアの特番において、「彼女を奪ったバンドマンよりもかっこいい曲を作って、絶対に後悔させてやる」という凄まじい執着と復讐心が音楽を始めた原動力だったと包み隠さず明かしています。
2011年10月26日にリリースされたメジャー1stアルバムのタイトルが『スーパースター』であり、そのラストを飾る12曲目に本曲が配置された事実には決定的な文脈が存在します。インディーズから這い上がり、メジャーの舞台へと足を踏み入れた瞬間、清水はかつて自分を捨てた元カノに対し、「約束通り、俺はここまで来たぞ」という果たし状を突きつけたのです。
当時の清水は、公の場のトークでも「見返してやりたいという怒りや悔しさがなければ、曲なんて書けなかった」と述懐しています。泥臭く、情けなく、女々しい感情。世間一般では隠すべきとされるネガティブな執念を、back numberは一切脱臭することなく、研ぎ澄まされたポップロックへと昇華させました。