過疎化という言葉は、現在の富山では過去の遺物になりつつある。引き金となったのは、世界的に深刻化するデータインフラの電力不足と脱炭素への強烈な圧力だ。生成AIやデータセンターの巨大なエネルギー需要が膨れ上がる中、豊富な水力発電インフラを抱える富山県は、二酸化炭素を出さないクリーンで安定した電力を提供できる「絶対的有利な地」として急速にスポットライトを浴びた。
「もはや都心に膨大なサーバーを置く合理的理由は存在しない」——首都圏から本社機能を富山市内に移転させた先端IT企業の創業者はきっぱりと言い切る。圧倒的な再生可能エネルギー供給能力と北陸新幹線の機動力。その2つが噛み合った瞬間、富山は単なる地方都市の枠を跳び越え、日本における次世代グリーンIT産業の中心地へと駆け上がった。