自宅のリビングや実家の押し入れに眠るラッセンの絵画について、多くの人が最も気にしているのが「現在の換金価値」です。結論から言えば、市場で流通している作品の大半を占める版画の買取価格は、当時の購入金額の10分の1から20分の1程度にとどまるケースが一般的です。
日本国内の家庭に普及しているラッセン作品の99%以上は、油彩などで描かれた1点ものの「原画」ではなく、シルクスクリーンやリトグラフ、アイリス(高精細インクジェット技術)、ミクストメディアと呼ばれる「版画(エディション作品)」です。
作品の種別ごとに見た現在の取引相場の目安は以下の通りです。
■ クリスチャン・ラッセン作品の種別・相場一覧
・原画(キャンバス直筆・油彩・アクリル): 買取相場 100万〜500万円以上(図柄やサイズにより1,000万円前後で取引される例も存在)
・大判・人気図柄の版画(イルカ・シャチ・マザーズラブ等): 買取相場 5万〜15万円前後(オークション落札価格は8万〜25万円程度)
・標準的な版画(中・小サイズ、風景中心): 買取相場 1万〜5万円前後
・ポスター・複製印刷画(サイン・エディションなし): 買取相場 数百円〜数千円程度(ほぼ額縁代の評価)
当時、展示会場などで「将来値上がりする」「資産価値がある」と説明されて150万〜300万円前後の高額ローンを組んで購入したオーナーにとっては、手厳しい現実と言わざるを得ません。ただし、美術品買取市場において「完全に無価値」になったわけではなく、図柄の人気度やコンディション、保証書の有無によって数万円〜十数万円の現金化は十分に可能です。