物語のテーマについて、極秘裏に入手したあらすじの断片は実に刺激的だ。作品の中心にあるのは、突然の豪雨と不気味なほどの「晴れ」が交錯する都市を舞台にした世界観。極限状態のなかで惹かれ合う二人の男女を描くSFロマンスの骨組みに、家族や社会との葛藤を描き出す重厚なヒューマンドラマが緻密に織り込まれている。
SF的な大仕掛けに依存するだけでなく、登場人物一人ひとりの心情を丁寧にすくい取る演出は、既存のSF映画とは一線を画す。感情の機微を捉える繊細なシナリオは、試写段階ですでに試写室を涙で包んだと囁かれている。人間味あふれるドラマツルギーが、壮大なSF世界に息を吹き込んでいるのだ。