「他人事」の読み方について結論からお伝えすると、本来の伝統的かつ正しい読み方は「ひとごと」です。「たにんごと」は本来の読み方ではありませんでしたが、漢字の表記につられて生まれた慣用的な読み方が社会全体へ浸透したものになります。
なぜ「他人」と書いて「ひと」と読ませるのか、その理由は語源にあります。もともと日本語には「自分以外の他人に関する出来事」を指す「人事(ひとごと)」という言葉が存在していました。古くは「ひと(他者)」+「こと(事柄)」が合わさってできた和語です。
しかし、「人事」と漢字で書くと「人事異動」や「人事部」でおなじみの「じんじ」と混同されやすい欠点がありました。そこで、他人の出来事であることを視覚的にわかりやすく区別するため、「他人」という文字を当てて「他人事(ひとごと)」と表記する工夫が定着した経緯があります。つまり、言葉としての「ひとごと」が先にあって、後から「他人事」という漢字が当てられたわけです。