感覚と腕力だけで稼げた時代は終わった。現代のとび職人にとって、公的なスキル証明は給料を跳ね上げる最大のレバレッジだ。特に国家資格である「とび技能士(1級・2級)」を保持しているかどうかは、大手ゼネコン現場への入場や職長手当の支給基準に直結する。
さらに、現場の安全管理を司る「足場の組立て等作業主任者」の資格は、現場責任者としてチームを率いる上で必須要件となる。これらを保持している職人は、基本給に加えて月額数万円の資格手当が上乗せされるケースが多い。
国土交通省が主導する建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及も、給与体系の透明化を加速させている。職人の就業履歴や保有資格がICカードに蓄積され、レベル4(ゴールドカード=高度なマネジメント能力を有する指導的技能者)に認定されれば、適正な単価支払いを元請けへ要求できる環境が整備されつつある。