現在、演劇・舞台業界において彼が存在感を示している最大の要因は、自ら立ち上げた合同会社T-geneと、そこから派生する「T-gene stage」の活動にある。単なる出演者にとどまらず、企画の立ち上げからキャスティング、脚本執筆、演出に至るまでを一手に担うその姿は、まさに現代の劇団主宰そのものだ。
今日のエンタメシーンでは、派手な演出や映像技術を駆使した2.5次元舞台が大きな潮流を作っている。その一方で、彼が手掛ける作品群の多くは、人間の生々しい感情の衝突や葛藤を丁寧に紡ぎ出すストレートプレイを軸に据える。派手な仕掛けに頼るのではなく、俳優同士のセリフの応酬や沈黙の間でドラマを構築する手法は、骨太な演劇ファンからも高く評価されている。
「自分たちが面白いと信じるものを、妥協せずに届ける」というシンプルな矜持が、T-geneの骨格を成している。