怒りの抑圧やトラウマがもたらす精神的・身体的危機は、エンターテインメント作品の中でもリアルかつ重厚に描かれ、視聴者に大きな衝撃を与えてきた。例えば、大ヒットを記録した韓国ドラマ『サイコだけど大丈夫』では、幼少期からの感情抑圧や家族関係のしがらみに苦しむ登場人物たちの内面が繊細に表現されている。自己の感情を押し殺して生きてきた主人公たちが、心の叫びと向き合うプロセスは、火病の背景にある葛藤と深く共鳴する。
また、記憶の断片化と多重人格を描いた名作『キルミー・ヒールミー』も、過酷なトラウマと感情の解離というテーマに鋭く切り込んだ作品だ。抑えつけられた怒りや恐怖が、自分以外の新たな人格として突出する描写は、形を変えて肉体を痛めつける火病のメカニズムと地続きの人間的苦悩を示している。フィクションの枠を超え、現代人が抱える心の葛藤を浮き彫りにしたこれらの作品は、メンタルヘルスの重要性を社会に問いかける強い力を持っている。