第240話の凄みは、単なるバトルマンガの枠組みを根底から覆した点にある。シリアスな殺し合いが繰り広げられる新宿決戦の真っ只中で、作者が差し込んできたのは「プロのお笑い芸人とは何か」「笑いとは何か」というメタ的な批評性だった。
羂索はお笑いの理論構造を熟知したインテリとして高羽のネタを冷静に分析し、そのプライドを打ち砕く。自信を失いかけた高羽が、かつて売れない時代に味わった孤独や、なぜ自分はお笑い芸人を目指したのかという原点に立ち返る描写は、多くの読者の胸を打った。初読時の混乱は、ページをめくるごとに深い感動へと変わっていったのだ。