矢沢永吉のヘアスタイルを語る上で欠かせないのが、1970年代のキャロル(CAROL)時代です。革ジャンに身を包み、サイドを後方へ力強く流したダックテールとフロントを高く盛ったリーゼントは、当時の若者文化に革命をもたらしました。武骨でありながらどこか気品漂うそのシルエットは、不良カルチャーの枠組みを超えて「ロックンロールのアイコン」として定着します。
ソロデビュー後の1980年代から1990年代にかけては、より都会的で洗練されたスタイルへと進化を遂げました。この時期の特徴は、アイパーや緩めのパーマを取り入れた動きのある質感です。サイドをタイトに抑えつつ、トップにニュアンスを持たせることで、スーツスタイルにも完璧にマッチする大人のダンディズムを体現しました。
2000年代以降は、過度なボリュームを抑えた短髪・ショートヘアをベースに、ナチュラルな毛流れを生かすスタイルへとシフト。近年では無理に染めない自然な白髪(グレイヘア)を堂々と披露し、年齢を重ねた男性の成熟した色気と重厚感を放っています。時代とともに形を変えつつも、「清潔感」「タイトなサイド」「立体的なトップ」という根本の美学は一貫して揺らいでいません。