人間社会から遠く離れた深海水域も、もはや地球温暖化の影響から無縁ではいられない。2026年に発表された国際海洋研究連合のレポートによれば、太平洋北部の深層水温が過去数十年にわたり緩やかに上昇しており、酸素濃度の低下(デオキシゲネーション)が深刻化している。
高水圧と低水温に最適化された繊細な代謝システムを持つ彼らにとって、僅か0.5度の水温変化や酸素不足は生命線に関わる。深海底に堆積する海洋プラスチック微粒子(マイクロプラスチック)の検出率も年々増加しており、人知れず静かに生きる深海魚たちの生態系が、私たちの日常の選択によって脅かされている。