かつて日本のテレビ、特に朝の情報番組において、女性キャスターは「清潔感」と「完璧な美しさ」を体現する記号のような存在だった。一滴の汗も流さず、乱れのない髪型で、常に微笑む。それがプロフェッショナルとしての最低条件とみなされていた時代がある。
有働アナがその強固な壁に風穴を開けた。生放送のスタジオはライトの熱気で過酷な環境になる。人間であれば汗をかくのは当然だ。しかし、それをカメラの前で晒すことはタブー視されていた。彼女が見せた「脇の汗ジミ」は、テレビの向こう側にいる視聴者と同じ、血の通った人間がそこに立っているという強烈な事実を突きつけた。