フロアを歩くと、かつてのデパ地下像が完全に塗り替えられていることに気づかされる。並んでいるのは、ただ高級なだけの食材ではない。環境配慮型のクラフトフードや、ヴィーガン対応とは思えないほど濃厚な生パティスリー、さらには地方の希少な発酵調味料を主役に据えたデリなど、現代の食意識をダイレクトに反映した気鋭のショップがずらりと顔を揃える。
いま最も注目を集める新店エリアでは、目の前で最後の仕上げを施す「劇場型」のプレゼンテーションが主流だ。注文を受けてから液体窒素で凍らせるフレッシュフルーツソルベや、削りたてのトリュフを惜しげもなく振りかける生パスタスタンドの前には、連日長い列ができる。単にモノを買うのではなく、出来立ての瞬間に立ち会う体験そのものが、感度の高い都市生活者を惹きつけてやまない。