乾麺パスタの袋の裏面をじっくり眺めたことがあるだろうか。日本国内において、パスタの分類や規格には明確な基準が存在する。一般社団法人日本パスタ協会などの業界団体が示すガイドラインやJAS規格によれば、原材料にデュラム小麦のセモリナ(粗挽き粉)を100%使用したものが本格パスタの標準とされる。しかし、消費者を最も惑わせるのは「スパゲッティ」という総称の中に潜む細かな呼称の違いだ。
イタリア料理の伝統において、麺の直径ごとに固有の名称が与えられている。1.2mm未満の極細麺「カペッリーニ」、1.4mm前後の「フェデリーニ」、1.6mm前後の「スパゲッティーニ」、そして1.7mm以上の本格的な「スパゲッティ」や2.0mmに迫る「スパゲットーニ」。これらは単なる言葉遊びではない。太さによって熱の伝わり方、グルテン網の密度、ソースを抱え込むキャパシティが根本から異なるからだ。