新幹線の製造は、一般的な自動車のようなベルトコンベアによる完全自動の大量生産とは根本的に異なります。1編成(16両編成など)あたり数百億円規模のプロジェクトであり、数万点におよぶ部品を高精度に組み上げる、いわば「走る精密機械のオーダーメイド建造」です。
日本国内で新幹線車両の製造を担っているのは、主に以下の名門重工業メーカーです。
- 日立製作所 笠戸事業所(山口県下松市):アルミニウム製鉄道車両のパイオニア。「A-train」と呼ばれるアルミダブルスキン構体技術を確立し、東海道・山陽・東北・北陸新幹線や海外高速鉄道を幅広く手がける。
- 日本車輌製造 豊川製作所(愛知県豊川市):JR東海の連結子会社として、歴代の東海道新幹線(0系から最新のN700Sまで)の主力製造拠点を担う。
- 川崎車両(兵庫県神戸市):東北・上越・北陸新幹線のE5系、E7系や、次世代高速試験車両「ALFA-X」の製造実績を持つ屈指の老舗メーカー。
- 総合車両製作所(J-TREC・神奈川県横浜市/新潟県新津市):JR東日本グループの車両メーカーで、ステンレス・アルミ車両の高度な成形技術を有する。
車体の基本構造には、軽量化と高剛性を両立させるアルミダブルスキン構造が採用されています。これは、2枚のアルミ板の間にトラス状の斜めリブを一体成形した中空押出型材を組み合わせる手法です。部材同士の接合には、母材を溶かさずに摩擦熱と圧力で固相接合する「摩擦攪拌接合(FSW)」が多用され、熱によるひずみを極限まで抑えた高精度かつ平滑なボディが生み出されます。