これほどの実績を残しながらも、ネット上や一部週刊誌ではシーズン終了や契約更新のたびに「長友佑都 引退」のキーワードが飛び交います。なぜ彼には常に引退説がつきまとうのでしょうか。その真相を紐解くと、主に3つの背景が浮かび上がってきます。
第1に、サッカー界における「サイドバック=30代前半限界説」という固定概念です。現代サッカーにおいて最も上下動とスプリントを要求される過酷なポジションであるため、35歳を過ぎて国内トップレベルを維持する選手は歴史的にも極めて稀です。第2に、カタールW杯終了直後に見せた感極まった涙と「やりきった」というニュアンスの発言が、メディアによって引退の布石として切り取られた経緯があります。そして第3に、妻であるタレント・平愛梨さんとの家族生活や、実業家・教育者としての活動など、セカンドキャリアの基盤が盤石である点です。
しかし、当の長友本人はメディアの単独取材や自著、記者会見の場で引退の憶測を一蹴し続けています。「年齢を言い訳にして辞めるつもりは毛頭ない。ピッチ上で走れなくなった時、若手に勝てなくなった時がユニフォームを脱ぐ時だ」と公言。自らの限界を世間の物差しではなく、自らの心身の数値によって測り続けるストイックな姿勢こそが、引退説を跳ね返す最大の原動力となっています。