著名人の死が報じられる際、最も警戒しなければならないのが後追い自殺の連鎖である。厚生労働省はWHO(世界保健機関)の勧告に基づき、自殺報道における詳細な手段の記述や現場写真の掲載、過度な情緒的演出を控えるようメディアに強く求めている。
クリック数や視聴率を稼ぐためにセンセーショナルな見出しを乱発し、プライバシーを暴き立てる一部メディアの姿勢は、二次被害を生むだけでなく、同じような悩みを抱える一般の読者を危険に晒す凶器となり得る。いま求められているのは、興味本位のゴシップではなく、背景にある社会構造を冷静に分析する調査報道である。
メディア自身が自らの報道姿勢を不断に問い直し、悲劇を消費する側から命を守る側へと意識を転換しなければならない。