連載完結時、ソーシャルメディアや各種掲示板(X、5ちゃんねる、レビューサイト)では、「ダイヤのA」がトレンドを独占し、数万件におよぶ読者の声が投稿されました。現地の反響を綿密に分析すると、評価は大きく2つの側面に分かれています。
まず圧倒的な絶賛を集めたのは、決勝の稲実戦および準決勝の市大三高戦における圧倒的な心理描写とリアリズムでした。「1球の重みでここまで心臓が痛くなる漫画はない」「前年夏のトラウマを乗り越えて成宮を打ち取った瞬間に涙が止まらなかった」という声が相次ぎました。特に、主人公が無双するのではなく、泥臭く葛藤しながらチーム一丸となって1点を守り抜く展開は、高校野球のリアリティを極限まで追求した寺嶋裕二氏の筆力の賜物と言えます。
その一方で、ネット上で大きな物議を醸したのが「甲子園編の不在」に対する落胆の声でした。
「本郷正宗とのリベンジマッチを見ずに終わるなんて受け止めきれない」「沢村が甲子園で全国の猛者を相手に無双する姿を期待していた」といった、いわゆる“最終回ロス”による困惑が広がりました。一部では「打ち切りではないか?」という憶測すら飛び交いましたが、これについては作者自身の巻末コメントやインタビューにより、極限のエネルギーを注ぎ込んで西東京大会を描き切ったことによる、作家としての誠実な区切りであったことが明らかになっています。