連載開始当初から最大の謎であり続けたのが、坂田銀時の過去エピソード経緯と、かつての盟友・高杉晋助との決定的な決裂の理由でした。その全貌が白日の下に晒されたのが「将軍暗殺篇」です。
将軍暗殺篇における銀時対高杉の真相は、読者にとってあまりにも残酷なものでした。寛政の大獄によって捕縛された恩師・吉田松陽。敵に囚われた桂や高杉の命を救うため、銀時は「仲間を守る」という松陽との約束を果たすべく、自らの手で愛する師の首を刎ねるという究極の選択を強いられていたのです。
この過去を共有しながら、世界を壊すことでしか師の無念を晴らせない高杉と、師が遺した仲間と今ある世界を守ろうとする銀時。刃を交え、互いの顔面を拳で砕き、血反吐を吐き散らしながらぶつかり合う2人の戦いには、一切の美化も正義の押し付けもありませんでした。互いに同じ痛みを誰よりも理解しているからこそ殴り合わなければならないという、魂の叫びが画面を支配したこの決闘は、少年漫画史に残る屈指の宿命戦です。