なぜ敵役であるばいきんまんや、トラブルメーカーであるコキンちゃんがこれほどまでに愛されるのでしょうか。アンパンマンとばいきんまんの人気の理由を分析すると、幼児心理と親世代の視点の双方が見えてきます。
ばいきんまんは、アンパンマンにアンパンチで吹き飛ばされても決して絶望せず、次の瞬間には新しいバイキンメカを開発して再挑戦します。この「不屈のバイタリティ」と「ゼロからモノを作り出すDIY精神」は、大人の目線から見てもリスペクトに値するエンジニア気質を持っています。完璧すぎるヒーローよりも、失敗を重ねながら感情豊かに生きる姿に共感を抱く層が少なくありません。
一方、コキンちゃんやドキンちゃんの人気順位が常にトップクラスを維持している背景には、幼児期特有の心理が関係しています。泣きたいときに泣き、欲しいものをストレートに主張するコキンちゃんの行動様式は、感情表現を学び始めた2〜3歳児にとって自分自身の投影先となります。「怒られてもどこか許されてしまう天真爛漫さ」が、子どもたちの自己肯定感をくすぐる存在として機能しています。