一般的な少年漫画における「Aランク」「Sランク」といったアルファベット表記や、単純な戦闘力数値とは異なり、本作では古代中国の思想に由来する「十干」が採用されている。癸(みずのと)、壬(みずのえ)、辛(かのと)、庚(かのえ)、己(つちのと)、戊(つちのえ)、丁(ひのと)、丙(ひのえ)、乙(きのと)、甲(きのえ)。この古風な響きが、作品の持つ大正レトロな世界観をぐっと引き締めている。
この階級制度の面白さは、主人公たちが決して「エリート街道」を歩んでいない点にある。最終選別を生き残った同期たちも、最初は全員が最下位の「癸」からのスタートだった。日輪刀を手にし、命を賭けた任務をこなす中で、一段ずつ泥臭く這い上がっていくプロセス。この「下積み感」こそが、読者に強い共感を生むトリガーとなっていた。