日本独自の自動車文化として世界中から注目を集めるデコトラ・アートトラック。その原点は、1970年代に一世を風靡した映画『トラック野郎』と、主演を務めた俳優の菅原文太が演じた「一番星桃次郎」の情熱的なスタイルにある。夜の国道をギラギラと照らし出し、働くトラックに美学を見出す伝統は、半世紀近く経った今も脈々と受け継がれている。
この文化の普及と継承に長年貢献してきたのが、全国のトラックオーナーたちが集う名門組織、全国哥麿会だ。同会のイベントで披露される絢爛豪華な車両の数々は、常にトラックパーツの流行を牽引してきた。しかし、伝統的なマーカーランプの増設は車輪周りの電装系に過度な負荷をかけるため、メンテナンスの負担が大きく、若手ドライバーやレンタル車両オーナーにとっては大きな壁となっていた。
そこに登場した電池式ユニットは、伝統の美意識と最新のテクノロジーをブリッジする存在となった。往年のアートトラックが追い求めた車輪の美しい回転光を、車体の電装配線を一切傷つけることなく再現できる利便性。古き良き日本のトラック美学は、配線レスという新たな翼を得て、令和の路上でより洗練された輝きを放ち始めている。