2014年10月28日、自宅で体調不良を訴えた磯野貴理子。普段と明らかに違う様子に気づいたのは、当時の夫だった。「何を言っているのか聞き取れない」「ろれつが回っていない」。この直感的な違和感が、彼女の命を救う決定打となった。救急搬送された病院で下された診断は、脳梗塞。一刻を争う状況だった。
脳の血管が詰まり、酸素や栄養が行き届かなくなるこの病気は、治療開始までの時間がその後の人生を左右する。彼女の場合、発症から治療開始までのタイムラグが極めて短かったため、深刻な後遺症を免れることができた。これは奇跡ではなく、周囲の冷静な観察と迅速な通報がもたらした必然の結果である。