城下町の歴史を感じさせるハトヤ本店の暖簾をくぐると、静けさの中に職人たちの気迫と香ばしい香りが立ち込めている。現場で腕を振るうハトヤ蒲鉾職人たちは、長年の経験を積んだ熟練者ばかりだ。すり身の練り具合を手で確かめながら、ミリ単位の感覚で形を整えていく作業は息をのむ美しさがある。
地元で愛され続ける練り物には、表面の焼き色や揚げ色の美しさにも秘伝の工夫が凝らされている。大量生産の工業製品では決して再現できない、ふっくらとした食感と濃厚なコク。その裏には、早朝から手作業で仕込みを行う職人たちの並々ならぬ情熱が隠されているのだ。