デジタル人文学の隆盛に伴い、Google Booksをはじめとする知識・文献検索プラットフォームを活用した言説分析が飛躍的な進化を遂げた。過去数百年分の出版物を横断的にテキスト検索することで、特定の語彙がいつ、どのような文書で頻出したかを瞬時に特定できる。
これらのデジタルアーカイブを検索すると、江戸時代の農書や本草学の文献において「橙」の栽培法や薬効が詳細に記録されていたことが明白になる。当時の人々が「代々」の縁起を担ぎつつ、実利的な薬用・食用としても重宝していた足跡が、鮮明なデータとなって立ち現れてくるのだ。文献検索が拓く新たな知見は、古典的な語源学に新たな視光を照射している。