『100日後に死ぬワニ』の物語を語る上で欠かせないのが、親友であるネズミの視点と伏線回収です。ネズミはワニの良き理解者であり、バイクの楽しさを教えたり、センパイへの告白を後押ししたりと、ワニの日常を最も彩った存在でした。
最終回の前日(99日目)、ネズミはワニをバイクの後ろに乗せ、満開の桜並木を二人で走る思い出を振り返っています。このときネズミがヘルメットの中で見せた切ない表情や、100日目に道路脇でスマホを見つけた瞬間の描写は、読者の涙を誘いました。
ラストシーンのカメラワークは、倒れたワニの目線(ローアングル)から空を見上げている構図になっており、「最後にワニが見た景色は、ネズミから送られてきた写真と同じ満開の桜だった」という演出がなされています。いつ途切れるかわからない日常の大切さ、そして「メメント・モリ(死を想え)」というテーマが、親友との絆を通じて見事に表現されていました。