小畑友紀による伝説的コミックの実写映画化として社会現象を巻き起こした『僕等がいた』。前篇・後篇の2部作という異例のスケールで制作された本作の現場は、まさに熱気と緊張感が交錯する場所だった。当時、吉高由里子が体現した高橋七美のピュアな愛らしさと、生田斗真が演じた矢野元晴の翳りある魅力。現場スタッフの証言によれば、ふたりはカメラが回っていない時間でも役柄の関係性を崩さず、互いの距離感を繊細に保ち続けていたという。
北海道・釧路の厳しい寒さのなかで行われたロケーション撮影では、過酷な環境だからこそ生まれた奇跡的な一瞬が数多く存在した。吉高の自然体な演技と、生田の緻密に計算された表現力が衝突し合って生み出された数々の名シーン。それらは単なる少女漫画の実写化にとどまらない、重厚なドラマ性を作品に与えることとなった。