明治神宮外苑地区は今、大きな転換期を迎えている。老朽化したスポーツ施設の建て替えや超高層ビルの建設を含む大規模な再開発計画は、数年にわたり都民の間で熱い議論を巻き起こしてきた。樹木の伐採や景観の変化に対する懸念が叫ばれる中、このいちょう並木周辺のエリアは、市民が「守るべき東京の原風景」として何度も引き合いに出される場所だ。
変わりゆく街の景色の中で、この店舗が変わらずに提供し続ける「日常の豊かさ」は、かつてないほど価値を高めている。テラス席に座り、100年以上の歴史を持ついちょうの巨木を見上げる。その行為自体が、変わりゆく東京における一種の精神的なアンカー(錨)になっているのかもしれない。