物語の軸となるのは、クラスのヒエラルキーに縛られた愛理と、彼女に虐げられることでしか自己を保てないひなこの関係だ。一般的な恋愛漫画が描く「お互いを高め合う関係」とは対極に位置する。彼女たちは、互いを傷つけ、貶め合うことでしか、自らの存在証明を得られない。
この「加害者であり被害者でもある」という非対称かつ対称的な関係性が、読者に強い倫理的葛藤を強いる。読者は彼女たちの行動に眉をひそめつつも、ページをめくる手を止められない。作者の圧倒的な画力と心理描写が、読者をその共依存の泥沼へと引きずり込んでいくのだ。