なぜ世界中から有線が消えたのか?ワイヤレスイヤホン進化の全歴史

なぜ世界中から有線が消えたのか?ワイヤレスイヤホン進化の全歴史

なぜ世界中から有線が消えたのか?ワイヤレスイヤホン進化の全歴史について押さえておきたい ポイントを分かりやすく解説いたします。

初期のBluetoothイヤホンが「音が平坦で解像度がない」と批判された最大の理由は、データ圧縮技術(コーデック)の帯域制限にありました。

標準規格である「SBC」は音飛びを防ぐために高音域を大幅に削り、遅延も大きいという弱点がありました。その後、Apple製品が採用する低遅延・高音質な「AAC」や、Android端末を中心に広まったQualcommの「aptX」「aptX HD」「aptX Adaptive」が登場し、CDクオリティに近い再生環境が整います。

さらにオーディオファンを唸らせたのが、ソニーが開発した「LDAC」です。SBCの約3倍となる最大990kbpsのデータ伝送を可能にし、ワイヤレスでありながら最大96kHz/24bitのハイレゾ音源をロスなく伝送できるようになりました。

音質向上の理由は通信技術だけにとどまりません。微細加工技術による高性能ドライバーユニットの開発、イヤホン本体に内蔵される小型高性能アンプ・DACの進化、そして各社が注力する空間オーディオやDSPによるリアルタイム音響補正が組み合わさったことで、現代のハイエンドワイヤレスイヤホンは有線高級機に迫る表現力を手に入れています。

山崎 陸
Author

山崎 陸

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。